お寺様にお経を上げてもらい、日頃からお線香を焚き、熱心にお参りすればするほど、「やってはいけないこと」が気になってくるのがお仏事です。
反対に、お仏壇を受け継いだけれど今まで両親に任せていたので、なにが良くてなにが悪いのかがわからない……というご相談もたくさんいただきます。
今回は「お供え物」に注目して、NG例をご紹介いたします。
もちろん、お仏壇へ手合わせるお参り自体が「もっとも望ましいこと」。
ルールに縛られて、お参りそのものが億劫になってしまうのは本末転倒です。
ご紹介するのは伝統的な考え方に基づく「NG」ですので、実際にはご家族皆さまのお考えを話し合い、お寺様にご指示を仰いでくださいませ。
お仏壇に欠かせないのが花瓶(花立)です。膳引や経机に置く高さ10㎝程度のものから、床に置く30㎝程度のものまで、用途に分けてご用意いただいていることと思います。
ただ、お花の種類の中には仏花に向かないものもございます。
バラやブーゲンビリアなど、トゲのあるお花は殺生や血を連想し、よろしくないとされます。
もしも、故人様が無類のバラ好きでどうしても飾ってあげたい、といった場合には、しっかりトゲ抜きをしましょう。
スズランや彼岸花、スイセン、アジサイなど、毒性のあるお花は、仏様に毒を盛ることになってしまいますので避けましょう。
春に飾りたくなってしまうチューリップも、球根には毒があり、仏花では避けられます。
お仏壇へは生花をお供えするものです。
庭に咲く花でも良いから季節折々の花を供え、造花やプリザーブドフラワーは避ける。
というのが基本的な考え方となります。
切り花は、夏は足が早く、冬はお値段が張ることも……。
賛否が分かれるところではありますが、仕事や家事で忙しく 「生花を活けていたけど、手入れを忘れてカラカラになっていた…」という事態になってしまうよりも、普段はプリザーブドフラワーを挿しておき、月命日やお仏事の際にはしっかりと生花を用意するというのも現代のお参りスタイルのひとつではないでしょうか。
その他、赤い花や花粉の出る花は避けた方がよい、というお話もよくお聞きします。
故人様の好んだ花の色がガーベラやカーネーションなどの赤であれば、普段は活けていただいても結構です。但し、弔事の際の供花やご法要で活けることは避けましょう。
また、花粉の多い花とはほとんどの場合、ユリを指します。
ユリの花粉は粘性があり、お仏壇周りや衣類を汚してしまうと取り除きにくいことから忌避されがちではありますが、弔事でも良く使用される花です。
開花済みであれば生花店ですでに花粉の処理がされているほか、蕾の場合は開花直後に処理しておくなど対策しておきましょう。
お盆やお彼岸、月命日、毎日のお参りにも、故人様の為になにかお菓子を用意しておくことは多いでしょう。せっかくお仏壇には高月などの「お供物台」をご用意いただいているのですから、空っぽなのは申し訳ないですよね。
お供物でまず間違いないのは水菓子(果物)と干菓子(落雁などの和菓子)ですが、お気持ちとしてはできれば生前好きだった食べ物をお供えしてあげたい……。
しかし、お供えNGな食べ物もございます。
宗教によって食べられない食べ物、と言われてまず思い浮かぶのは「三厭(さんえん)」ではないでしょうか。
などのすべての動物性の食品のことです。
殺生を禁じている仏教では、動物性のものは食べられません。
理由はやや異なりますが、仏教だけでなくイスラム教やヒンドゥー教でも肉食が避けられていますね。
また、「五辛(ごしん)」は「五葷(ごくん)」とも呼びます。
主に以上の5つを指しています。
今で言う香味野菜ばかりですが、「香りの強い野菜」が修行の妨げになるという考え方から避けるようになったとも言われます。確かに、にんにくを食べた後の読経などは、自分の息が気になって集中できないかも……。
精進料理はこれらの三厭五辛を避けて作られます。
ご法要などで必要な御霊供膳のお料理1食分がフリーズドライで賄える「ご仏膳用惣菜 ご先祖さま」も、これらの食品を避けて作られています。困ったときにはご活用ください。
誠心堂店舗の他、誠心堂の各種オンラインストアでもお取り扱いしております!
三厭五葷と並んで、仏教として口にしてはいけないものが「お酒」です。
禅宗の寺院の門前には「不許葷酒入山門」……「五辛(五葷)を食べたり、お酒を飲んだ人は中に入ってはいけません。」と記されているそう。厳しい修行の場に五辛やお酒のような「なまぐさ」は相応しくない、という考え方が表れています。
お寿司や、生クリームやカスタードクリームを使ったケーキなどの生菓子も避けましょう。
いずれも三厭が含まれることはもちろんですが、そもそも常温保存に向かない食品です。
お酒や生ものは本物の代わりに「ろうそく」をお供えすることも!
お酒の香りの線香などもありますので、気になる方はご利用ください。
また果物についても、少し注意が必要なものがございます。
果物を美味しく食べていただく「追熟」※、「お仏壇にお供えするついでに…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
お供物によく選ばれる果物でも「追熟が必要ない」ものがございます!
追熟する果物 | メロン、バナナ、洋梨、マンゴー、桃など |
追熟しない果物 | スイカ、リンゴ、和梨、イチゴ、ブドウ、パイナップルなど |
お供物はお仏壇からお下げしたものを皆様で召し上がっていただくことになります。
しかし、追熟する果物の「常温保存」とは「15~20℃程度の風通しの良い冷暗所」でのこと。夏の暑い時期はすぐに悪くなってしまいますので、お気を付けください。
悪くなってしまった場合には、無理をせずご処分下さい。
※「追熟」:青果店で購入した果物などを、15~20℃程度の風通しの良い冷暗所で適切な期間保存し、更に熟成させること
お供え物以外のNGについては以下のコラムでもご紹介しております!
合わせてご覧ください。
その他、特別なものをお供えしたい場合や、ご説明の間にご紹介した商品については
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