ドラマや映画を観ていると、不意にお仏壇が映ることがあります。
そんなときに皆様はどんな感想を抱かれるでしょうか。
私たち誠心堂スタッフは職業柄、ついつい「どのご宗派だろう?」とお位牌にある戒名やお仏具から考えてしまっています。
そこで、今回はお位牌を見ていただく際の読み取り方をご紹介いたします。
お位牌についての詳しいお話はコラム「お位牌について」もご覧ください。
表面には「戒名」と「ご命日(年月日)」、裏には「俗名」と「ご年齢」をお入れします。
地域やお寺様のご指示によっては、「戒名」以外はすべて裏側にお入れするなど、レイアウトが違っていることもあります。
本来は戒律を守り厳しい修行する仏弟子となった証で、出家した方のみが頂けるものでした。
現在は亡くなったときに賜ることが多いですが、本来は生前に仏様のお弟子になったときに頂くものです。
お位牌にお入れする「戒名」全体はおおよそ以下のような構成が一般的です。
院号 道号 戒名 位号
・院号…寺院への貢献や社会的貢献など、生前の高い徳に依ってつけられる
・道号…故人様の人柄や立場などに合わせて付けられる別の名、雅号のようなもの
・戒名…仏様の世界でのお名前で、俗名から1文字取られることが多い
・位号…性別や年齢、信仰心の厚さによって決められた種類の中から付けられる
「戒名」と聞くと、6~10文字のお名前を想像しますが、どんな方でも「戒名」そのものは「二文字」なのです。
また院号は必ずつけられるものではない為、人によって文字数は異なります。
構成は先ほど挙げた一般的なものですが、お位牌の一番上には梵字の「ア」が入ることがほとんどです。
梵字の「ア」は一文字で真言宗のご本尊である「大日如来」を表します。
大日如来様のもとにいる弟子ですよ、とお位牌で表していることになります。
一般的な構成です。
お位牌の一番上には「空」の文字か梵字の「バク」が入ることもあります。
梵字の「バク」は一文字で仏教の開祖であり曹洞宗の本尊でもある「釈迦如来」を表します。
道号の代わりに「誉号」が入ります。
「誉」の文字を含む二文字です。
元は限られた信徒に与えられるものでしたが、今は一般的に付けられています。
「戒名」ではなく「法号」と呼ばれます。
「道号」は「妙」か「法」の字を含む二文字です。
「日号」は「日」の字を含む二文字です。
ご法号を賜るお寺様によって、構成は全く異なることもあります。
「戒名」ではなく「法名」と呼ばれます。
「釋号」は「釋(釈)」の一字です。お釈迦様より一字を頂いています。
但し、女性の釋号は「釋尼」と小さく「尼」の字が入れられます。
なお、浄土真宗は基本的にはお位牌を必要としないご宗派ですので、一般的には法名を記した掛軸を飾ります。
ただ、お寺様のご指定やご家族のご意向などもあり、必ずしも上記の通りでないこともあります。
困ったときはお寺様のご指示を仰ぎましょう。
そういわれても、どこで区切ったらいいのかよくわかりませんよね。
著名人のご戒名で見てみましょう。
例えば一万円札でお馴染みの福沢諭吉のご戒名は「大観院独立自尊居士」。
院号 : 大観院
道号 : 独立
戒名 : 自尊
位号 : 居士
となります。道号と戒名を見て、なんとなく人柄が感じられます。
また、日本一長いご戒名といわれるのは…
「東照大権現安国院殿徳蓮社崇譽道和大居士」…実に19文字!
2023年NHK大河ドラマの主人公でもある徳川家康のものです。
それでも「戒名」自体は「道和」となります。
神様となったために神号「東照大権現」が入っていたり、「大居士」という一般の方では賜れないような位号が入っていたり、生前の尊徳を讃えるご戒名となっています。
「譽」が入っていることから浄土宗であることもわかります。
また、上杉謙信の「謙信」や武田信玄の「信玄」というお名前も戒名なのだそうです。
仏教では「かぞえ年」でご年齢を記載します。
「生まれた時点で1歳と数え、年が明けると一斉に1つ年を取る」という考え方です。
なので、ご命日がお誕生日の前後どちらかで年齢の加算が変わります。
お誕生日より前に亡くなった場合は満年齢+2才
お誕生日より後に亡くなった場合は満年齢+1才
最近は一般的な考え方が「満年齢」ですので、お位牌にも満年齢で記載する場合もあるようです。
お位牌は故人様の霊魂が宿るための依代(よりしろ)、いわば現世での新しいお体です。
なので、お位牌はお一人に一本ご用意いただくものです。
とはいえ、中には少し変わった形のお位牌もあります。
通常のお位牌より奥行があり、天井を外すと中に札板が入れられるようになっています。
札板一枚がお位牌一本にあたり、7~10名分の札板を収められます。
正面に窓がついているため、一番手前の方のご戒名が見ることができます。
札板を入れ替えることで、それぞれの故人様のご法要や月命日に合わせていただけます。
なかには「札板に全部名前の入った回出位牌が2本ある」というお家も!
歴史の長さを物語っています。
お二人(特にご夫婦)のお名前を並べて、一本のお位牌にお入れすることも可能です。
向き不向きはありますが、どんなお位牌にもお名前は並べてお入れできます。
お家によって様々なご事情があるでしょうから、お考えの際は一度、誠心堂へご相談くださいませ。
但し、本来のお位牌の意味合いを考えれば、故人様にはそれぞれお位牌が必要になります。
夫婦位牌を検討している場合は、事前に菩提寺に確認しておきましょう。
お仏壇にご安置というよりも、場所を問わず飾れる形になっています。
種類によっては専用ポーチも付いてきますので、ご旅行などに連れ出していただくことも。
お位牌と別に寝室やリビングにお写真とともに飾りたいという方や、「兄/姉の家にお位牌はあるけれど、自宅でもお参りしてあげたい」という方にも人気です。
そのほか、お位牌の内部に小さなお骨壺の入った「納骨型位牌」や、ペットの為に写真も載せられる様な「ペット専用位牌」など、これまでと一線を画すような新しいお位牌が登場しています。
お位牌のことで迷われたら、お世話になっているお寺様や私たち誠心堂にご相談ください。
遠方などで足を運びにくい場合は「オンライン相談」なら、自宅にいながら誠心堂店内をご覧いただけます。
まずはお気軽にご来店・お問い合わせくださいませ。
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