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「旭川仏壇」ができるまで前編~IN 東川町

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日本五大家具産地として名を馳せる街、旭川。

市内や近隣にはいくつも木工所や工場が立ち並びます。

「家具調仏壇」とも呼ばれるモダン仏壇は、旭川でも生産が盛んです。

誠心堂でも人気は高く、お客様によってはまさに「旭川産の仏壇を探している」というご相談もあります。

仏壇の製造ってなんだか特別そうですよね。

誠心堂のスタッフも、実際の製造現場はなかなかお目にかかれません。

この度、誠心堂オリジナル仏壇を手掛ける上川郡東川町と旭川市内の工場を尋ねてきました。

特別編としまして前後編に分けて旭川仏壇製造の様子をお届けします!

旭川モダン仏壇の製造現場に潜入!IN 東川町

一件目に伺ったのは、東川町の木工所。

誠心堂オリジナル仏壇の製造も担ってくださっています。

特注家具なども手掛けており、お仏壇では総無垢仏壇などすこし特殊なものを製造されています。

伺った日もお仏壇の製造真っ最中! 中には「総無垢仏壇」も…!

お仏壇が出来上がるまでの工程は、ざっくりと6つに分かれます。

お仏壇製造の流れ

木材の選定 → 切り出し・加工 → 研磨 → 組立 → 塗装 → 部品の取付

順を追って見て行きましょう。

「木材の選定」:どの仏壇になる木かな?

木工所や工場が多いだけあって旭川は材木店も多く、直接買い付けに行き選定するそう。

この時点ですでにある程度「どのお仏壇に使うのか?」という視点から木材を見極め、特に総無垢仏壇はすぐに製造とならなくても「この木目はあのお仏壇に使える!」と先に用意してしまうそうです。

つまり仕入れの段階で、完成したお仏壇の姿が見えている…!

材木の買い付けの段階で、すでにお仏壇の製造は始まっているのです。

「切り出し・加工」:形が見えてくる!

木材は、材木店である程度大きさを揃えてしまうそうですが、無垢材のお仏壇用のものは木工所で加工します。

時には「あのお仏壇を作るまで少し保管しておこう」ということもあるのだとか。

ウォールナット材を手にご説明下さる社長

「いわば加工前の一枚板は、マグロ一本のようなもの」と社長のご説明。

使うのが難しい(食べられない)部分と、必要な部分(おいしそうな柵)に分けていくのだそう。

加工された木材は木目を見て組み合わされ、それぞれのパーツとして分類わけされます。

総無垢仏壇の扉(左)や天板(右)になる部分。まだサイズも厚みも不揃いですが、木目の相性を見て既に組み合わされています

「研磨」:より美しい仕上がりに!

広い面は専用の機械で研磨するといいますが、この時は細かい部品へのヤスリ掛けを手作業でしているところでした。

何気なく触れているお仏壇の至るところに、人の手による丁寧な作業が入っているのです。

(左)狭い面へのヤスリ掛けは職人さんの手作業。ほかにも、(右)本尊台のような薄い板への突板貼り(つきいたはり)も手作業!しっかり圧着させて、余分なところをカット

「組立」:お仏壇になってきた!

パーツが出揃ったら組立です。

左手前のお仏壇には、木目に独特な虎斑(トラフ)が見えます。

写真はナラ・ウォールナット総無垢のお仏壇。

こちらは「蟻組み接ぎ」という木材同士を加工して繋ぐ方法で本体を組み上げ、極力、金具を使わないように仕上げられています。

※背板や戸板には金具(ネジ・蝶番等)が使われています。

ウォールナット総無垢仏壇(誠心堂厚別店にて撮影)

「塗装」:雰囲気がガラッと変わる!

お仏壇も家具と同様に仕上げの塗装は主に「ウレタン塗装」「オイル塗装」「ラッカー塗装」の3種に分かれます。

大多数のお仏壇は水分や傷に強い「ウレタン塗装」ですが、より木材の質感が残る「オイル塗装」も総無垢の仏壇を中心に増えました。

近年は「木製品らしさ」が求められる為、木目の凹凸が残るような仕上がりが好まれます。

ウレタン塗装でも木目の凹凸を埋めない「オープン仕上」も増えましたが、オイル塗装はやはり風合いが異なります。

一台一台のお仏壇を丁寧に仕上げていきます。こちらはウレタン塗装のお仏壇
オイル塗装のウォールナット総無垢仏壇「ぬくもり」:誠心堂厚別店撮影

誠心堂の店舗でもオイル塗装の総無垢お仏壇がございます。

是非ご来店ください!

※店舗によって品切れの場合がございます。ご了承くださいませ。

「部品の取付」:完成目前!

最後に扉の取っ手など外側のパーツを取り付けて完成です。

こちらもすべて色や木目の印象がひとつずつ異なるため、本体と調和するように組み合わされます。

完成品は一日ほど置いてしっかり塗装を乾かしてから、検品の後に梱包されます。

梱包作業は拝見できませんでしたが、お店で荷解きするときはその職人技に驚かされます。

上台と下台それぞれの戸板用の取っ手。一列ずつ、やや風合いに違いがある

「レーザー彫刻」:難しい図柄も再現!

こちらの木工所では繊細な彫り物を施す「レーザー彫刻」を導入されています。

木材の切り抜きはもちろん、アクリル板や、ガラスへの加工も可能とのこと。

左から木材、アクリル板、ガラスへ彫刻を施した例

伝統型仏壇は職人による立体の工芸彫刻が目を引きますが、モダン仏壇は家具のような洗練されたシンプルさが特徴。そのなかでもレーザー彫刻は繊細な図柄を描いたり、更にLEDライトで効果的な魅せ方ができたりと、お仏壇の装飾の幅を広げてくれます。

レーザー彫刻を施したアクリル板を背板に入れ、間接照明にしたお仏壇も

せっかくですから、動いている様子もお届けいたします!

レーザー彫刻による「桜の透かし彫り」の様子。木材への焦げ付き防止に表面がマスキングされています。

レーザーの細さは「0.01mm」!

一般的なボールペンのボール径が0.5mmですから、その50分の1です。

「旭川仏壇」ができるまで後編につづく…

店舗でも「職人さんの手作業」というご説明はしますが、完成したお仏壇を見ていると製造過程までは想像がつかないですよね。

ご自宅のお仏壇も、こういった職人さん達によるきめ細やかな作業で作り上げられていると思うと、思い入れもまた一入ではないでしょうか。

次回は「旭川」のお仏壇ができるまで後編~IN旭川工業団地をお送りいたします!

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